アルファチャンネルを操作するブレンドモード
ステンシルおよびシルエットブレンドモードでは、1 つのレイヤーのアルファ
チャンネルまたはルミナンス値を使用して、背面のレイヤーやグループと分離す
ることができます。
メモ: シェイプまたはイメージマスクを使用することで類似するエフェクトを実
現できます。さらに、マスクは必要に応じてさまざまな制御を行うことがありま
す。詳しくは、「
シェイプ、マスク、およびペイントストロークを使う
」を参照
してください。
ステンシルモードでは、ステンシルとして使われているレイヤーの背面にあるレ
イヤーで、重なり合っていない部分がすべて切り取られます。シルエットモード
は反対の処理となります。シルエットとして使われているレイヤーのシェイプの
背面にある重なり合ったレイヤーに穴が開けられます。
3D グループで作業するときは、階層の順序を変更したときのステンシルおよび
シルエットブレンドモードへの影響は同じではありません。たとえば、3D グルー
プ内に 2 つのレイヤーがあって、上のレイヤーが「ステンシルアルファ」または
「ステンシル・ルミナンス」に設定している場合は、上のレイヤーを Z 空間内で
下のレイヤーの背後に移動しても、ブレンドモードは引き続き有効です。3D グ
ループ内に 2 つのレイヤーがあって、上のレイヤーが「シルエットアルファ」ま
たは「シルエットルミナンス」に設定している場合は、上のレイヤーを Z 空間内
で下のレイヤーの背後に移動すると、ブレンドモードが有効でなくなります。
351
第 7 章
基本的な合成
ステンシルおよびシルエットのブレンドモードのエフェクトを制
限する
ステンシルまたはシルエットブレンドモードを「そのまま」ブレンドモードが
設定されているグループに使用するときは、グループがラスタライズされる場
合を除いて、エフェクトは「レイヤー」リスト内で下位にあるすべてのグルー
プのすべてのレイヤーに適用されます。これは強力な機能ですが、背景のグ
ループに透明な領域を適用できないため、必要なエフェクトを得られない場合
があります。
ステンシルまたはシルエットのブレンドモードは、グループのブレンドモード
を「そのまま」以外に設定することで、同じ内包グループ内のレイヤーだけに
適用するように制限できます。
たとえば、「シルエットアルファ」の例で示した 2 つのレイヤーを含むグルー
プを「通常」に設定し、別のレイヤーを含むグループを背後に追加した場合、
そのレイヤーは「シルエットアルファ」が適用されたグループの透明な領域を
通して表示されます。
ステンシルアルファ
「ステンシルアルファ」ブレンドモードは、影響するレイヤーのアルファチャン
ネルを使用し、「レイヤー」リストで影響するレイヤーの背後にあるすべての重
なり合っていないレイヤーまたはグループを切り取ります。
Object used for stencil
End result
Object underneath
352
第 7 章
基本的な合成
ステンシル・ルミナンス
「ステンシル・ルミナンス」ブレンドモードは、「ステンシルアルファ」ブレン
ドモードと同じ処理を行いますが、適用するレイヤーのルミナンス値を使用して
透明にする部分を決定します。「ステンシル・ルミナンス」は、クロップに使用
するレイヤーに独自のアルファチャンネルがない場合に有効です。
シルエットアルファ
「シルエットアルファ」は、「ステンシルアルファ」ブレンドモードの反対の処
理を行い、背面のレイヤーに穴を開けるのに有効です。
Object used for silhouette
End result
Object underneath
シルエットルミナンス
「シルエットルミナンス」は、「ステンシル・ルミナンス」の反対の処理を行い
ます。
背景
「背景」ブレンドモードは、レイヤーを、「レイヤー」リストや「タイムライ
ン」での位置に関係なく、ほかのすべてのレイヤーおよびグループの背後に表示
します。
複数のレイヤーまたはグループを背後で表示するように設定した場合は、「背
景」が設定されていないほかのすべてのグループの後ろに、「レイヤー」リスト
に表示されている順序で表示されます。
アルファ追加
「アルファ追加」ブレンドモードは「加算」と類似した処理をします。ただし、
重なり合ったレイヤーのカラーチャンネルを加算するのではなく、アルファチャ
ンネルを加算します。「Motion」のアルファチャンネルのデフォルトの処理方法
では、半透明の重なり合った領域が別の処理方法で合成されます。代わりにこの
ブレンドモードも使ってみてください。
ライトラップ
このモードでは、背景レイヤーのマットの端から明るい領域を取り出して、それ
らにブラーを適用したものを前景レイヤーに適用します。
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第 7 章
基本的な合成
これは、より自然で継ぎ目の少ない合成を行うためのものです。背景のライトが
前景レイヤーににじみ出すようにすることで、合成でない自然なイメージを作り
出します。「量」、「強度」、「不透明度」、「モード」など、「ライトラッ
プ」に影響するパラメータを調整するには、「キーイング」フィルタを適用して
から「フィルタ」インスペクタで調整を行います。詳しくは、「
キーヤー
」を参
照してください。
メモ: レンダリング処理の最後に、「ライトラップ」エフェクトが適用されま
す。色補正エフェクトなどのほかのフィルタをレイヤーに追加した場合、それら
は「ライトラップ」の前にレンダリングされます。