リプリケータの概念
「Motion」のリプリケータでは、最小限の労力でエレメントの繰り返しパターン
を作成できます。パターンのエレメントには、「Motion」プロジェクト内のビデ
オ、静止画像、シェイプ、テキストなどのレイヤーを含めることができます。た
とえば、ほんの数回のマウスクリックで、基本シェイプに基づいたスピンループ
を作成できます。
Replicator source shape
Replicator result
リプリケータのパラメータにキーフレームを設定して、パターンのダイナミクス
を時間と共に変化させることができます。たとえば、リプリケータの「オフセッ
ト」パラメータにキーフレームを設定することによって、画面を上下動しながら
横切る波状のドットを作成できます。
リプリケータやそのセルにビヘイビアを追加すれば、さらに多様なエフェクトを
作成することもできます(「シミュレーション」ビヘイビアが特に効果的です)。
リプリケータまたはセルに適用されたビヘイビアは、パターンの各エレメントに
適用できます。これにより、キーフレームを使って、アニメーションを表示する
のに何時間もかかる、ほとんど無限に近いほど多様で複雑なエフェクトを作成で
きます。プロジェクト内の別のオブジェクト(リプリケータパターンに含まれて
いないオブジェクト)に「渦巻き」などのビヘイビアを適用し、パターンエレメ
ントがそのオブジェクトを周回するように動かすこともできます。
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第 15 章
リプリケータを使う
「シーケンスリプリケータ」という特殊なビヘイビアを使用すると、画面上のエ
レメントのパラメータ(位置、拡大/縮小、不透明度など)を連続したアニメー
ションで変化させることができます。詳しくは、「
「シーケンスリプリケータ」
ビヘイビアを使う
」を参照してください。
リプリケータは「Motion」の 3D 機能も活用しています。リプリケータで作成さ
れるシェイプには、最初から 3D のものもあれば、3D 空間のあるポイントで存在
できるものもあります。また、リプリケータに適用されるビヘイビアによってパ
ターンエレメントを平面から引き出すこともできます。詳しくは、「
3D 空間で
リプリケータを使う
」を参照してください。
リプリケータとパーティクルシステムの違い
リプリケータとパーティクルシステムでは多くのパラメータが共通しています
が、この 2 つはまったく異なるツールです。いずれもレイヤー(シェイプ、テ
キスト、イメージなど)をセルソースとして使い、それらのソースから画面上
のエレメントを生成しますが、無加工の素材からそれぞれ独自のエフェクトを
生成します。パーティクルシステムでは、時間の経過と共に変化する動的なエ
レメントを生成します:パーティクルは生成されて、画面上の「エミッタ」か
ら放出されます。パーティクルはキャンバス上を移動していき、システムのパ
ラメータで指定した「自然法則」に従って消滅します。
一方、リプリケータは動的なシミュレーションではありません。リプリケータ
のエレメントはパーティクルのように放出されません(リプリケータのエレメ
ントに発生量、表示時間、速度などのパラメータはありません)。リプリケー
タは、ソースレイヤーの静的コピーのパターンを、指定したシェイプおよび配
置方法で組み立てます。デフォルトでは、リプリケータで作成した画面上のエ
レメントは静止状態になっていますが、リプリケータのパラメータをアニメー
トすることはできます。たとえば、単純な「スター」シェイプを画面のパター
ンのソースとして使い、円の外周に沿って星を複数回複製することができま
す。新しいリプリケータレイヤーのいくつかのパラメータにキーフレームを設
定することで、円の中心を軸に回転するように星をアニメートさせ、回転しな
がら星の色を変化させることができます。