「Motion」には、6 つのトラッキングビヘイビア(「モーショントラッキング」
ビヘイビアのサブカテゴリに 4 つ、「シェイプ」ビヘイビアのサブカテゴリに 1
つ、「パラメータ」ビヘイビアのサブカテゴリに 1 つ)が用意されています。
「Motion」のビヘイビアの概要については、「
ビヘイビアを使う
」を参照してく
ださい。
「モーショントラッキング」ビヘイビア
「Motion」では、ビヘイビアを使用して、トラッキングされたモーションデータ
を収集、解析、保存、および適用します。データはビヘイビアに(キーフレーム
として)保存されるため、同じプロジェクト内のほかのオブジェクトに簡単に適
用することができます。「モーショントラッキング」ビヘイビアを使用すると、
標準のビヘイビアまたはキーフレームによって作成されたアニメーションデータ
を適用することもできます。「モーショントラッキング」ビヘイビアの適用のし
かたは、ほかのすべてのビヘイビアと同じです。
トラッキングビヘイビアによって解析が実行されると、キャンバスにトラックポ
イントが表示され、さらにビヘイビアにトラッキングキーフレームが作成されま
す。これらのキーフレームは、オブジェクトに適用されるビヘイビア内で有効で
す。つまり、キーフレームはオブジェクトそのものには適用されません。
メモ: 「スタビライズ」ビヘイビアのデフォルトモーション解析を使用した場
合、画面上のトラックポイント(およびそのトラックポイントに対応し、「キー
フレームエディタ」に表示されるトラッキングキーフレーム)は作成されませ
ん。
「モーショントラッキング」ビヘイビアには以下の 4 種類があります:
• 動きを解析: このビヘイビアは、クリップからトラッキング情報を生成して
保存する場合に使用します。「マッチムーブ」ビヘイビアおよび「スタビライ
ズ」ビヘイビアとは異なり、「動きを解析」ビヘイビアでは、そのトラッキン
グ情報をほかのオブジェクトに適用することはできません。ただし、「動きを
解析」ビヘイビアによって集められたトラックは、「マッチムーブ」、「ト
ラック」(「パラメータ」ビヘイビアのカテゴリ内)、「トラックポイント」
(「シェイプ」ビヘイビアのカテゴリ内)の各ビヘイビアを使用することによ
り、ほかのオブジェクトに適用することができます。
メモ: 「動きを解析」ビヘイビアを適用することができるのは、フッテージ
(QuickTime ムービーまたはイメージシーケンス)のみです。
「動きを解析」ビヘイビアでは、1 つのクリップに複数のトラックを追加でき
ます。これによって、複数の参照パターンを同時に解析できます。
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第 22 章
モーショントラッキング
• マッチムーブ: このビヘイビアは、前景要素を背景要素に一致させて、これ
ら 2 つが 1 つにロックされているように見せる場合に使用します。このエフェ
クトは、以下の 3 通りの方法で実現することができます:
• 1 ポイント(位置)トラッキング、2 ポイント(位置および調整または回転)
トラッキング、または 4 ポイント(コーナー固定)トラッキングを使用する
ことにより、前景要素を背景要素に一致させることができます。ほかのト
ラッキングビヘイビアとは異なり、「マッチムーブ」ビヘイビアでは、解析
操作とコンポジット操作を実行できます。最終的なコンポジットを作成する
前に、さらなる変更(ブラー、色補正など)を加えることができます。
• 「マッチムーブ」ビヘイビアを使って、別のトラッキングビヘイビアによっ
て記録された参照トラックを適用できます。このためには、「マッチムー
ブ」ビヘイビアの HUD またはインスペクタで、「アクション」ポップアッ
プメニュー(歯車のアイコン)からトラックを選択します。
• 1 つのオブジェクト(ビヘイビアまたはキーフレームによって作成されたア
ニメーションなど)のアニメーションデータを別のオブジェクトに適用でき
ます。このためには、アニメーション・ソース・オブジェクトを、「レイ
ヤー」リストから、適用先オブジェクトの「マッチムーブ」ビヘイビアの
HUD またはインスペクタにある「ソース」ウェルにドラッグします。これに
よって、ソースオブジェクトの動きを解析しなくても、アニメーション・
ソース・オブジェクトの動きを適用先オブジェクトに適用できます。
メモ: 「マッチムーブ」ビヘイビアは、ほぼすべてのオブジェクトタイプに適
用することができます。
• スタビライズ: このビヘイビアは、クリップでの不要な動き(カメラジッタ
など)を取り除きます。スタビライズは、クリップ内の水平または垂直の動
き、あるいは水平と垂直の動きの組み合わせに適用することができます。この
エフェクトは、以下の 3 通りの方法で実現することができます:
• 「スタビライズ」ビヘイビアでは、画面上のトラックを使用しなくても、ク
リップを解析してスタビライズすることができます。この場合、「スタビラ
イズ」ビヘイビアは、モーション解析を使用してクリップのフレーム全体を
評価し、カメラの動きを記録します。このビヘイビアには、このようにして
記録されたデータを使用するための方法として、クリップのスムージング
(カメラの一般的な動きは維持しつつ、不要なジッタを除去)と、クリップ
のロック(対象物をスタビライズ)の 2 つの方法があります。このビヘイビ
アを使用すると、位置、調整、および回転を解析して適用することができま
す。
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第 22 章
モーショントラッキング
• 全フレームのモーション解析のほか、1 ポイント(位置)トラッキングや 2
ポイント(位置、調整、または回転)トラッキング用に画面上のトラックを
追加することもできます。トラックを手動で「スタビライズ」ビヘイビアに
追加すると、自動化されたモーション解析からではなく、トラックのデータ
を使用してクリップがスタビライズされます。この方法を使用した場合、ト
ラックはフレームを移動するため、トラックポイントは各後続フレームの同
じ位置に配置されます。以上の方法を組み合わせて使用することもできま
す。たとえば、クリップの一部を全フレーム方式でトラッキングし、その後
は手動で追加したトラックに切り替えることができます。
• 1 つの「スタビライズ」ビヘイビアに記録された解析トラックを、別の「ス
タビライズ」ビヘイビアに読み込むことができます。解析トラックを読み込
むには、適用先オブジェクトの「スタビライズ」ビヘイビアの HUD または
インスペクタで、「アクション」ポップアップメニューからトラックを選び
ます。
メモ: 「スタビライズ」ビヘイビアを適用することができるのは、フッテージ
(QuickTime ムービーまたはイメージシーケンス)のみです。
• スタビライズ解除: このビヘイビアでは、トラッキング解析は実行されませ
ん。その代わり、「スタビライズ解除」ビヘイビアでは、「スタビライズ」ビ
ヘイビアによって記録された動きをクリップまたはオブジェクトに適用するこ
とができます。これにより、ムービークリップ内のカメラの振動を、ポストプ
ロダクションで追加された前景要素に一致させることができます。トラッキン
グデータを読み込むには、トラッキングビヘイビアの HUD または「インスペ
クタ」で、「アクション」ポップアップメニューからトラックを選択します。
メモ: 「スタビライズ解除」ビヘイビアは、ほぼすべてのオブジェクトタイプ
に適用することができます。
「マッチムーブ」ビヘイビア、「スタビライズ」ビヘイビア、または「スタビラ
イズ解除」ビヘイビアによって記録または参照されるトラッキングデータを、オ
ブジェクトキーフレームに変換することができます(該当する場合)。変換する
と、トラッキングビヘイビアは取り除かれ、変形キーフレームがオブジェクトに
「変換」されます。ビヘイビアを変換する方法について詳しくは、「
トラックを
キーフレームに変換する
」を参照してください。
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第 22 章
モーショントラッキング