モーショントラッキングについて
「Motion」には、一連の自動化されたトラッキングビヘイビアが用意されてお
り、これを使用して次のようなことができます:
• ムービークリップでの要素のマッチムーブ: 背景要素(看板など)のトラッ
キングデータを、合成された前景要素(ロゴのグラフィックスなど)に適用す
ることができます。そのため、両方の要素が 1 つにロックされたように見えま
す。このテクニックを
マッチムーブといいます。
• キャンバスでのアニメーションオブジェクトのマッチムーブ: アニメーショ
ンオブジェクトのモーションデータをプロジェクトの別のオブジェクトに適用
することができます。たとえば、「スモーク」パーティクルエミッタを宇宙船
のアニメーションに吸着させると、ロケットの排気跡が宇宙船の動きを追うよ
うにすることができます。
• ムービークリップでのカメラの動きのスタビライズ: トラッキングデータを
適用して、ムービーやイメージシーケンスでの不要なカメラの動きまたはジッ
タを取り除くことができます。たとえば、手持ちカメラのショットをスムーズ
にすることができます。
• ムービークリップのスタビライズ解除: 動きをスタビライズされたムービー
の前の状態に戻します。このテクニックは、前景のエフェクトを追加するため
にクリップをスタビライズした場合に、元のカメラの動きを最終的なコンポ
ジットに戻したいときに便利です。
• フィルタの位置パラメータのトラッキング: トラッキングデータをフィルタ
の位置パラメータに適用することができます。たとえば、「光線」フィルタの
中心点が、ムービークリップ内を移動する閃光ビームの後を追うようにするこ
とができます。閃光ビームのトラッキングデータは、フィルタ全体ではなく、
フィルタの単一パラメータ(「中心」パラメータ)に適用されます。
• シェイプまたはマスクのコントロールポイントのトラッキング: ムービーク
リップ内の参照ポイントのトラッキングデータをシェイプまたはマスクのコン
トロールポイントに適用することができます。たとえば、このテクニックを使
用すると、ムービークリップ内を移動する要素をマスクし、その要素を分離し
て追加のエフェクトを適用することができます。
「Motion」では、以下の方法を使用することにより、クリップ内の 1 つまたは複
数の参照特性をトラッキングすることができます:
• 1 ポイント・トラッキング: ムービークリップ内の単一の参照パターン(小さ
いピクセル領域)をトラッキングして、位置データを記録します。
• 2 ポイント・トラッキング: ムービークリップ内の 2 つの参照パターンをト
ラッキングし、トラッキングされたポイント間の関係を使用して、位置、調
整、および回転のデータを記録します。
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第 22 章
モーショントラッキング
• 4 ポイント・トラッキング: 4 コーナー固定ともいいます。ムービークリップ
内の 4 つの参照パターンをトラッキングして、位置、調整、回転のデータを記
録します。4 つのトラックを使用して、4 つの参照パターン(ピクチャフレー
ムやテレビモニタのコーナーなど)間の関係を解析します。このデータをイ
メージまたはクリップの各コーナーに適用して、クリップを「固定」します。
このため、ピクチャフレームやテレビモニタではクリップがロックされている
ように見えます。
• 複数ポイント・トラッキング: クリップ内の参照ポイントを希望の数だけト
ラッキングします。トラックは、「動きを解析」ビヘイビアに手動で追加する
ことができます。「シェイプ」ビヘイビアのサブカテゴリとして提供されてい
る「ポイントをトラック」ビヘイビアをシェイプまたはマスクに適用すると、
それぞれのシェイプのコントロールポイントにトラックが割り当てられます。
メモ: 「Motion」には 3D ワークスペースが用意されていますが、「Motion」で
のトラッキングは
平面的に行われます。つまり、Z 空間でのトラッキングは行わ
れません。たとえば、クリップ内の 2 つの特性を解析するとしましょう。さら
に、そのクリップが 3D 空間を移動しているとします。この場合、クリップにお
ける位置、調整、回転の変更は時間と共に記録されます。ただし、実際の 3D 変
形は記録されません。
トラッキング対象のオブジェクトを、
背景要素またはソース要素といいます。ト
ラッキングデータが適用されるオブジェクトを、
前景要素または適用先要素とい
います。
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