「動きを解析」のコントロール
「動きを解析」ビヘイビアは、フッテージ(ムービーまたはイメージシーケン
ス)での使用を目的としています。このビヘイビアは、従来型の相関トラックと
見なすことができます。つまり、クリップの参照パターン上に画面上のトラック
を配置します。指定された参照ポイントでのクリップの動きが解析され、解析さ
れたデータがビヘイビアに保存されます。記録されたデータをプロジェクトのほ
かのオブジェクトに適用することができます。
「動きを解析」ビヘイビアでは、入力イメージは変形されません。このビヘイビ
アは、「マッチムーブ」、「スタビライズ」、「トラック」(パラメータ)、お
よび「トラック」(シェイプ)の各ビヘイビアによる参照が可能なトラックを生
成するために使用します。
「動きを解析」ビヘイビアの使いかたについては、「
一般的なモーション・ト
ラッキング・ワークフロー
」を参照してください。
メモ: 「動きを解析」では、ほかのトラッキングビヘイビアを参照することはで
きません。
重要:
「動きを解析」ビヘイビアを適用することができるのは、フッテージオ
ブジェクト(QuickTime ムービーまたはイメージシーケンス)のみです。
「インスペクタ」のパラメータ
動き:
「動き」パラメータには、「解析」コントロールと「逆方向」コントロー
ルがあります。
• 解析: このボタンをクリックすると、モーショントラッキング解析が開始さ
れます。「解析」をクリックすると、進行状況ウインドウが開き、トラッキン
グの進捗が表示されます。解析を停止するには、進行状況ウインドウの「停
止」ボタンをクリックするか、Esc キーを押します。
トラックの先頭は、「タイムライン」におけるビヘイビアの先頭ではなく、現
在の再生ヘッド位置に基づきます。
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第 22 章
モーショントラッキング
• 逆方向: このチェックボックスを選択すると、解析の方向が反転し、現在の
再生ヘッド位置からクリップの先頭フレーム(またはトラッキングビヘイビア
の先頭フレーム)まで解析されます。
メモ: 逆方向解析を開始したいフレームまで再生ヘッドを移動する必要があり
ます。
トラック:
このボタンをクリックすると、「動きを解析」ビヘイビアにトラッ
クを追加できます。デフォルトのトラックは 1 つです。新しいトラックがキャン
バスの中央に追加されます。
トラックのプレビュー:
このプレビュー領域には、選択されたトラックのトラッ
キング参照領域が拡大表示されます。このプレビューは、キャンバスでトラック
の位置を調整するとアップデートされます。「トラックのプレビュー」領域の任
意の場所をドラッグして、トラックの位置を調整することができます。プレビュー
領域内をドラッグすると、それに合わせて、トラックを表す赤い十字形の周りを
イメージが移動し、キャンバス内ではトラックが移動します。また、Option キー
を押したまま左または右にドラッグすると、パターンサイズが小さくまたは大き
くなります。(「トラックサイズ」スライダを調整しても同様の結果を得ること
ができます。)
トラックをオフセット:
このチェックボックスでは、元の参照ポイントが一時
的に非表示になっている、または画面上から消えている場合に、新しい参照ポイ
ントを選択できます。新しいトラッキングポイントが使用され、元の参照ポイン
トと同じトラッキングパスを辿ります。オフセット・トラッキングについて詳し
くは、「
オフセット・トラッキングを使って隠れたポイントまたはフレーム外の
ポイントをトラッキングする
」を参照してください。
自動ズーム:
このポップアップメニューでは、キャンバスでのトラック位置を
決定する際の拡大レベルを設定できます。理想的なトラッキング参照パターンを
検索するときにキャンバスを拡大することができます。「なし」、「2x」、
「4x」、および「8x」の 4 つのオプションがあります。
自動ズームモード:
このポップアップメニューでは、自動ズームされたトラッ
クのキャンバス内での表示を設定できます。以下の 3 つのオプションがありま
す:
• 通常: 通常のパターンが表示されます。
• コントラスト: コントラスト検出によるトラックパターンが表示されます。
• エッジ: エッジ検出によるトラックパターンが表示されます。
「自動ズームモード」は、キャンバス内のトラックに適用されます。また、
「ビヘイビア」インスペクタの「トラックのプレビュー」には表示されませ
ん。
メモ: 「自動ズーム」ポップアップメニューから「なし」を選択した場合、「自
動ズームモード」設定による効果はありません。
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第 22 章
モーショントラッキング
先のフレームを見る:
このスライダおよび値スライダでは、トラックによる解
析の対象となる先のフレーム数を指定することができます。つまり、参照ポイン
トの特定の位置を見るようにトラックに指示することができます。この機能は、
速い速度で動くオブジェクトを含むフッテージに便利です。そのようなフッテー
ジでは、参照ポイントがトラックから急速に離れる可能性があるからです。「先
のフレームを見る」の使いかたについて詳しくは、「
先読みにより「Motion」に
ヒントを与える
」を参照してください。
「トラック」リスト:
このリストには、ビヘイビアに含まれているトラックが
表示されます。「動きを解析」ビヘイビアでは、このリスト内のトラックを、ト
ラック 1、トラック 2 などと呼びます。
トラックを無効にするには、チェックボックスの選択を解除します。トラックを
取り除くには、「取り除く」ボタンをクリックします。無効になったトラックは
解析されません。
トラック名の隣にある開閉用三角ボタンをクリックすると、以下の追加パラメー
タが表示されます:
• 位置: このパラメータには、トラックの X 位置と Y 位置が表示されます。X
位置は左の値スライダで、Y 位置は右の値スライダで確認します。開閉用三角
ボタンをクリックすると、ラベルの付いた位置値スライダが表示されます。
• トラックサイズ: このスライダを使用して、トラックのパターンの検索サイ
ズを(ピクセル単位で)調整します。トラックサイズを調整すると、「トラッ
クのプレビュー」がアップデートされて、新しいトラックサイズが表示されま
す。キャンバスのトラックでは視覚的な変化はありません。
パラメータを表示せずに「トラックサイズ」を調整するには、「トラックのプ
レビュー」領域で Option キーを押したまま左へドラッグしてトラックサイズ
を小さくするか、Option キーを押したまま右へドラッグしてトラックサイズを
大きくします。
• 検索サイズ: このスライダを使用して、トラックの検索領域のサイズを増減
します。「Motion」では、キャンバスでトラックを設定する際に検索領域のサ
イズを指定しません。デフォルトの検索サイズを変更するには、このスライダ
または値スライダを使用します。「検索サイズ」を 200 パーセントに設定する
と、トラックの検索領域がデフォルトの検索領域のサイズの 2 倍になります。
• 失敗の許容度: このパラメータを使用して、トラックのエラーの許容量(信
頼度値)を定義します。つまり、トラックが参照特性に一致可能であると判断
する際のスコアを定義します。スコアを上回った場合、トラックは一致を受け
入れます。スコアを下回った場合、トラックは一致を拒否します。一致が拒否
されると、「失敗時の動作」が有効になります。
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モーショントラッキング
• 失敗時の動作: このポップアップメニューを使用して、トラックの信頼度値
が「失敗の許容度」の値を下回った場合の動作を指定します。以下のオプショ
ンがあります。
• 自動再試行: トラックがより広範な検索領域で参照パターンを検索します。
パターンが見つからなかった場合は「予測」オプションに切り替えられま
す。「自動再試行」は、失敗時のデフォルトの動作です。
• 停止: トラックが参照パターンを見失った場合に解析を停止します。トラッ
キング進行状況ダイアログの「停止」ボタンをクリックするか、Esc キーを
押して解析を停止することもできます。
• 予測: トラックが参照パターンの一致を見つけるまで、新しい検索領域を
予測します。キーフレームは作成されません。これは、前景オブジェクトの
後ろを横切るトラッキング対象オブジェクトに最適です。
• 予測とキー: 失敗が検出された場合、トラックが最後の 2 つのキーフレー
ムのベクトルに基づいて位置を予測し、新しい領域でトラッキングを続行し
ます。
• 予測しない: トラックがそのままの位置で、クリップのフレームの進行に
合わせて後続の一致を検索します。一致の検索中にキーフレームが作成され
ることはありません。
• 既存キーフレームを使用: ガイドとして手動で作成したキーフレームがト
ラックに使用されます。キーフレームを手動で追加したら、開始フレームに
戻り、トラッキング解析を開始します。トラックがトラックパターンを特定
することが困難な場合、手動で作成したトラッキングキーフレームがトラッ
クのガイドにするために参照されます。
• カラー: このカラーコントロールを使用すると、画面上のトラックに新しい
色を設定できます。トラックのデフォルトの色は赤色です。トラックを選択す
ると、中心点が黄色になり、拡大画面の枠線がカラーウェルで設定した色にな
ります。個々のカラーチャンネル(トラックの不透明度を含む)を調整するに
は、開閉用三角ボタンをクリックします。
HUD コントロール
「動きを解析」の HUD には、モーショントラックを開始したり(「解析」ボタ
ン)、トラックの方向を反対にしたり(「逆方向」チェックボックス)、および
オフセット・トラックを指定したり(「トラックをオフセット」チェックボック
ス)するための各コントロールが含まれています。オフセット・トラッキングを
実行すると、トラックを新しい参照パターンに再配置することができます。