「トラック」パラメータビヘイビアのコントロール
パラメータビヘイビアの「トラック」ビヘイビアを使用すると、オブジェクト
(フィルタ、シェイプ、パーティクルエミッタなど)の位置パラメータをクリッ
プの参照特性にトラッキングしたり、トラッキングデータをオブジェクトの位置
パラメータに適用したりすることができます。
「トラック」パラメータビヘイビアは、「ライブラリ」で「ビヘイビア」の「パ
ラメータ」サブカテゴリにあります。またはツールバーの「ビヘイビアを追加」
ポップアップメニューから「パラメータ」>「トラック」と選択します。
「トラックのプレビュー」、「トラックをオフセット」、「自動ズーム」、「自
動ズームモード」、「先のフレームを見る」をはじめとするトラックリストのパ
ラメータ、およびトラックのサブパラメータについては、「
「動きを解析」のコ
ントロール
」を参照してください。
1542
第 22 章
モーショントラッキング
「トラック」パラメータビヘイビアの使いかたについては、「
「トラック」(パ
ラメータ)のワークフロー
」を参照してください。
「インスペクタ」のパラメータ
ソース:
トラックのソースオブジェクトをこのウェルにドラッグします。ソー
スオブジェクトは、別のトラッキングビヘイビアでも、フッテージオブジェクト
でもかまいません。トラックを「トラック」パラメータビヘイビアに読み込むに
は、ビヘイビアを「ソース」ウェルにドラッグします。「ソース」ウェルを消去
するには、項目をウェルの外までドラッグして、マウスボタンを放します。
メモ: アニメーションオブジェクトを「トラック」パラメータビヘイビアのソー
スとして使用することはできません。
• 「アクション」ポップアップメニュー: プロジェクト内のトラッキングデー
タ(ほかのトラッキングビヘイビアから取得したもの)のリストから選択しま
す。
変形:
このポップアップメニューでは、選択した位置パラメータの動きかたを
選択することができます。2 つのオプションがあります:
• ソースに吸着: このオプションを選択すると、オブジェクトの位置が、記録
されたオブジェクトまたはアニメーションソースに固定されます。「ソースに
吸着」は、ソースオブジェクトを調整または回転するとき、フィルタの中心を
ソースオブジェクトの特定の位置に貼り付ける場合に使用します。トラックの
適用前にフィルタの中心に存在したすべてのアニメーションは、「調整」のパ
ラメータ(「位置」、「調整」、および「回転」)を使用することで保持でき
ます。これらのパラメータは、「タイプ」ポップアップメニューで「変形」を
選択した場合に使用できます。
メモ: オブジェクトの位置がソースオブジェクトの動きに吸着されていても、
その位置をソースオブジェクトからオフセットすることができます。
• ソースに合わせる: このオプションを選択すると、オブジェクトが、記録さ
れたトラックまたはアニメーションソースを模倣するようになります。トラッ
クの適用前に前景オブジェクトに存在していたアニメーションは、「調整」パ
ラメータで「位置」、「回転」、または「調整」を選択することでトラックに
追加できます。
メモ: 「ソースに吸着」と同様、オブジェクトの位置をソースオブジェクトか
らオフセットすることができます。
動き:
モーショントラッキング解析を開始するには、「解析」ボタンをクリッ
クします。進行状況ウインドウにトラッキングの進捗が表示されます。解析を停
止するには、進行状況ウインドウの「停止」ボタンをクリックするか、Esc キー
を押します。
1543
第 22 章
モーショントラッキング
トラックの先頭は、「タイムライン」におけるビヘイビアの先頭ではなく、現在
の再生ヘッド位置に基づきます。
逆方向:
「逆方向」チェックボックスをクリックすると、クリップが現在の再
生ヘッド位置からクリップの先頭フレーム(またはトラッキングビヘイビアの先
頭フレーム)まで、逆方向に解析されます。
メモ: 逆方向解析を開始したいフレームまで再生ヘッドを移動する必要がありま
す。
トラックのプレビュー:
このプレビュー領域を使用すると、選択されたトラッ
クのトラッキング参照領域が拡大表示できます。このプレビューは、キャンバス
でトラックの位置を調整するとアップデートされます。「トラックのプレビュー」
領域の任意の場所をドラッグしても、トラックの位置を調整することができま
す。プレビュー領域内をドラッグすると、それに合わせて、プレビュー内ではイ
メージが赤い十字形の周りを移動し、キャンバス内ではトラックが移動します。
トラックをオフセット:
トラックの参照ポイントが一時的に非表示になってい
る、または画面上から消えている場合、このパラメータを使用すると、元の参照
ポイントと同じトラッキングパスを辿る別の参照ポイントを選択することができ
ます。オフセット・トラッキングについて詳しくは、「
オフセット・トラッキン
グを使って隠れたポイントまたはフレーム外のポイントをトラッキングする
」を
参照してください。
自動ズーム:
キャンバスでのトラック位置を決定する際、このポップアップメ
ニューからオプションを選択して、拡大レベルを設定します。これにより、理想
的なトラッキング参照パターンを検索するときにキャンバスを拡大することがで
きます。「なし」、「2x」、「4x」、および「8x」の 4 つのオプションがありま
す。
自動ズームモード:
自動ズームされたトラックのキャンバス内での表示を設定
するには、このポップアップメニューからオプションを選択します。以下の 3 つ
のオプションがあります:
• 通常: 通常のパターンが表示されます。
• コントラスト: コントラスト検出によるトラックパターンが表示されます。
• 端: エッジ検出によるトラックパターンが表示されます。
「自動ズームモード」は、キャンバス内のトラックに適用されます。また、
「ビヘイビア」インスペクタの「トラックのプレビュー」には表示されませ
ん。
メモ: 「自動ズーム」ポップアップメニューから「なし」を選択した場合、「自
動ズームモード」設定による効果はありません。
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第 22 章
モーショントラッキング
先のフレームを見る:
このスライダおよび値スライダを使用して、トラックに
よる解析の対象となる「先の」フレーム数を指定します。つまり、参照ポイント
の特定の位置を見るようにトラックに指示することができます。この機能は、速
い速度で動くオブジェクトを含むフッテージに便利です。そのようなフッテージ
では、参照ポイントがトラックから急速に離れる可能性があるからです。「先の
フレームを見る」の使いかたについて詳しくは、「
先読みにより「Motion」にヒ
ントを与える
」を参照してください。
「トラック」リスト:
このリストには、ビヘイビアに含まれているトラックが
表示されます。
トラックを無効にするには、チェックボックスの選択を解除します。無効になっ
たトラックは、トラッキングでは解析されません。
別のトラックが参照されると、トラックリストは「トラック」ポップアップメ
ニューに置き換わります。
トラック名の隣にある開閉用三角ボタンをクリックすると、以下の追加パラメー
タが表示されます:
位置:
トラックの X 位置と Y 位置が表示されます。X 位置は左の値スライダで、
Y 位置は右の値スライダで確認します。開閉用三角ボタンをクリックすると、ラ
ベルの付いた位置値スライダが表示されます。
トラックサイズ:
このスライダを使用して、トラックのパターンの検索サイズ
を(ピクセル単位で)調整します。トラックサイズを調整すると、「トラックの
プレビュー」がアップデートされて、新しいトラックサイズが表示されます(キャ
ンバスのトラックでは視覚的な変化がありません)。
パラメータを表示せずに「トラックサイズ」を調整するには、「トラックのプレ
ビュー」領域で Option キーを押したまま左へドラッグしてトラックサイズを小
さくするか、Option キーを押したまま右へドラッグしてトラックサイズを大きく
します。
検索サイズ:
このスライダまたは値スライダを使用して、トラックの検索領域
のサイズを増減します。「Motion」では、キャンバスでトラックを設定する際に
検索領域のサイズを指定しません。デフォルトの検索サイズを変更するには、こ
のスライダまたは値スライダを使用します。「検索サイズ」を 200 パーセントに
設定すると、トラックの検索領域がデフォルトの検索領域のサイズの 2 倍になり
ます。
失敗の許容度:
このパラメータを使用して、トラックのエラーの許容量(信頼
度値)を定義します。つまり、このパラメータは、トラックが参照特性に一致可
能であると判断する際のスコアを定義します。スコアを上回った場合、トラック
は一致を受け入れます。スコアを下回った場合、トラックは一致を拒否します。
一致が拒否されると、「失敗時の動作」が有効になります。
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第 22 章
モーショントラッキング
失敗時の動作:
このポップアップメニューを使用して、トラックの信頼度値が
「失敗の許容度」の値を下回った場合の動作を指定します。以下のオプションが
あります。
• 自動再試行: トラックがより広範な検索領域で参照パターンを検索します。
パターンが見つからなかった場合は「予測」オプションに切り替えられます。
「自動再試行」は、失敗時のデフォルトの動作です。
• 停止: トラックが参照パターンを見失った場合に解析を停止します。トラッ
キング進行状況ダイアログの「停止」ボタンをクリックするか、Esc キーを押
して解析を停止することもできます。
• 予測: トラックが参照パターンの一致を見つけるまで、新しい検索領域を予
測します。キーフレームは作成されません。これは、前景オブジェクトの後ろ
を横切るトラッキング対象オブジェクトに最適です。
• 予測とキー: 失敗が検出された場合、トラックが最後の 2 つのキーフレーム
のベクトルに基づいて位置を予測し、新しい領域でトラッキングを続行しま
す。
• 予測しない: トラックがそのままの位置で、クリップのフレームの進行に合
わせて後続の一致を検索します。一致の検索中にキーフレームが作成されるこ
とはありません。
• 既存キーフレームを使用: ガイドとして手動で追加したキーフレームがトラッ
クでの解析時に使用されます。キーフレームを追加したら、開始フレームに戻
り、トラッキング解析を開始します。トラックがトラックパターンを特定でき
ない場合、手動で作成したトラッキングキーフレームがトラックのガイドにす
るために参照されます。
カラー:
画面上のトラックの色を設定するには、このオプションをクリックす
るか、Control キーを押したままカラーウェルをクリックします。または、スポ
イトをクリックし、キャンバスで色を選択します。トラックのデフォルトの色は
赤色です。トラックを選択すると、中心点が黄色になり、拡大画面の枠線がカ
ラーウェルで設定した色になります。個々のカラーチャンネル(トラックの不透
明度を含む)を調整するには、開閉用三角ボタンをクリックします。
「トラック」ポップアップメニュー:
「トラック」パラメータビヘイビアで別
のビヘイビア(「動きを解析」など)を参照すると、「トラック」リストパラ
メータは「トラック」ポップアップメニューで置き換えられます。このメニュー
から適用するトラックを選択します。トラックは、参照されるトラッキングビヘ
イビアから、影響を受けるオブジェクトの位置パラメータへ適用されます。
適用:
「移動」ポップアップメニューをクリックして、トラックにパラメータ
を適用します。たとえば「トラック」パラメータが、トラッキングされるオブ
ジェクトの「X」位置パラメータに適用されている状態で、データを「X」およ
び「Y」位置パラメータに適用したい場合は、「移動」をクリックして、「情報」
>「変形」>「位置」>「X と Y」と選択します。
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第 22 章
モーショントラッキング
HUD コントロール
「トラック」パラメータビヘイビアの HUD には、トラッキングビヘイビアをビ
ヘイビアに読み込んだり(ソースビヘイビアを指定するウェルまたはトラッキン
グビヘイビアのポップアップメニューを使用)、位置パラメータの動きかたを指
定したり、モーション解析を開始したり(「解析」ボタンを使用)、トラックの
方向を反対にしたり(「逆方向」チェックボックスを使用)、トラックをオフ
セットしたり(「トラックをオフセット」チェックボックスを使用)するための
各コントロールが含まれています。
1547
第 22 章
モーショントラッキング
サウンドは、多くのモーショングラフィックスのプロジェクトにとって欠かせな
いものです。プロジェクトのバックグラウンドミュージック、対話、またはスク
ラッチトラックにオーディオを使用してください。
この章では以下の内容について説明します:
•
Motion のオーディオについて
(ページ 1549)
•
Motion プロジェクトのオーディオファイル
(ページ 1550)
•
オーディオトラックを操作する
(ページ 1559)
•
レベルおよびパン変化のキーフレームを設定する
(ページ 1566)
•
オーディオトラックをクロスフェードする
(ページ 1567)
•
オーディオトラックとビデオトラックを同期させる
(ページ 1568)
•
オーディオをタイミング変更する
(ページ 1568)
•
オーディオにマーカーを使う
(ページ 1571)
•
「オーディオ」ビヘイビア
(ページ 1571)
•
「パラメータ」ビヘイビアの「オーディオ」
(ページ 1574)
Motion のオーディオについて
オーディオファイルをプロジェクトに追加して、マーカーおよびキーフレームを
使ってオーディオをプロジェクトのほかのイベントと同期させることができま
す。QuickTime ムービークリップのオーディオトラックなど、いくつかのタイプ
のオーディオファイルを読み込むこともできます。「Motion」では、プロジェク
トに追加するモノラルの各オーディオファイルに対して 1 つのオーディオトラッ
クが作成されます。
マルチチャンネル・オーディオ・ファイルを読み込んで、チャンネルごとに 1 つ
のオーディオトラックを自動的に作成できます。個々のオーディオトラックには
ユーザが使用できる独立したコントロールがあり、オン/オフの切り替え、個々
のトラックの選択と再生、トラックのミュートとソロ、オーディオ・オブジェク
トとビデオ・オブジェクト間のリンクの制御、音量およびパン設定の制御を行え
ます。
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